たまには作法のことについても、述べたいと思います。少し長いです。
これから、お盆を迎えるにあたって、ご実家やご親戚の家を訪ねる方が多いと思います。
お盆なら特に、お仏壇にもお参りされるでしょう。みなさん、お仏壇の前に座ったら、まず何をしますか?
おそらく「チンチーン」とリン鳴らすと思います。そして、手を合わせて礼拝。終わり。
あまり、やかましいことは言いたくありませんが、これは作法としては「ブッブー」です。
おそらく神社の鈴を鳴らす作法と同じように考えておられる方がほとんどだと思います。
神社では、鈴を鳴らして邪気を払う、という意味と、神様をお呼びする、という意味があるそうです。
仏壇でリンを鳴らす方は、ご先祖さまに「来ましたよ」とご挨拶しておられるのであると思います。
でも、必要ないんです。
「来ました!」とお呼びせずとも、知らせずとも、いつも私のそばに南無阿弥陀仏となり、ご一緒下さるというのが浄土真宗の考え方だからです。
本来リンは、お経をとなえるときに鳴らすもので、音を導いてくれるものでもあります。
それぞれのお経は、初めに出すべき音が決まっています。
私たち僧侶は、リンやキンの音で音を探っているんです。
ですので、鳴らしたからには、お経を読むのが正式な作法です。
リンを鳴らして、お経を読まずにその場を去るのは、ピンポンダッシュと一緒です(笑)
「鳴らしたらいけない」というわけではありません。本当の意味を知っていてください。
そしてお経を読む時間がなくても、「南無阿弥陀仏」の短い六字にはすべての功徳が込められているので、せめてリンを鳴らしたのであれば、「南無阿弥陀仏」とおとなえください。
さぁ、この夏からやってみましょう!